古びた木製の学童椅子…郷愁をそそられます、昭和育ちにはたまりません。
地方では、昭和の末くらいまで現役で使われていたんじゃないでしょうか。
私もこれにお世話になった世代です。 ところで、この頃の学童椅子、その使い込まれた味わいと昭和の思い出諸々が重なって今となってはけっこう大事にされる存在ですが、一つ一つの形を眺めていくと、案外いい加減に作られてるものも多いようです。
当時,この椅子のデザインを管理するところは何かしらあったんでしょうが、
たぶん、座高や座幅、奥行き、背の高さの大体の数字を提示する程度だったんではないでしょうか。
そして、それをもとに各地で,あまり椅子には感心ないような木工所や大工さんなどに発注されたのではないかと思います。 要するに、とりあえず椅子の形をしてる、といったものが多い訳で、なんとなくバランスが変…というのから、部材のボリュームがあり過ぎて、子供使いには重過ぎるだろう、と突っ込みたくなるようなものまでさまざまです。
でも、そんな事に文句いう人はいなかったですね。
学童たちもそんな事おかまい無しに日々これに親しみ、多少重くたって元気に引きずり回しておりました。 さて、この写真の左側にある学童椅子は、かなり小型のもので、たぶん保育園辺りで使われていたものだと思います。
私の目を惹いたのは、そのバランスの良さ。なかなかいい感じです。こういうふうに整ったのは割と少ないです。 写真右側の椅子は、これの寸法を完全にコピーしたものです。
今の時代にこれを復元したからって、これのように徹底的に使い込んでくれる環境なんてないんでしょうが、どうしても一つ残しておきたいな…という気持ちで作りました。
話かわりますが、使い込むモノ、使い込む環境、そういうのって今の時代どれくらいあるんでしょう?
昭和の頃の学童椅子見てて、ふとそんなこと思いました。